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住宅ローンは「マイナス金利」になるのか?

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住宅ローンは「マイナス金利」になるのか?

日銀がマイナス金利の導入を決めたことを受けて、長期金利が史上初のマイナス金利に低下した。この調子でマイナス金利が広がると、住宅ローンの金利までマイナスになるのだろうか。
マイナス金利でも「借りドク」にはならない?

金利がマイナスということは、お金を貸す側が利息を払い、借りる側が利息をもらえるということ。いわば天と地がひっくり返ったようなもので、単純に考えると住宅ローンを借りたら銀行が「借りてくれてありがとう」とばかりにお金を払ってくれるというわけ。こんなありがたい仕組みなら文字通り「借りたほうがトク」なので、頭金ゼロでも住宅ローンを借りて家を買う人が続出しそうだ。

さっそく住宅ローン金利も引き下げの動きが出ているが、まだマイナスにはなっていない。長期金利に連動するフラット35などの固定型金利や10年固定型金利は1%台が主流なので、すぐにマイナスになるわけではないだろう。

変動型金利は0.6%前後まで下がっているが、これは各銀行が引き下げ幅を拡大しているためで、店頭金利は2%台が主流だ。変動型の基準となる短期金利がマイナスになったとしても、やはり住宅ローン金利がマイナスになるとは限らない。

そもそも日銀が打ち出したマイナス金利は、銀行が日銀に新規にお金を預けるときの金利をマイナスにして手数料を取るというものだ。そうなると銀行の収益が圧迫されるので、銀行としては住宅ローンの手数料を高くしたり、逆に金利を上げたりする可能性もあるという。住宅ローン金利がマイナスになって「借りドク」という状態には、なかなかならなさそうだ。

住宅ローン控除ですでに実質マイナス金利に

とはいえ、これから3月にかけては住宅の引き渡しがピークとなり、住宅ローンを借りる人が増えるから、銀行にとっては書き入れ時だ。さらに9月末までに新築住宅の契約をすると消費税が8%のままという経過措置があり、駆け込み需要が膨らむことも予測される。住宅ローンの金利引き下げ競争は、いやが上にも激しくなるだろう。

悩ましいのは変動型と固定型のどちらを選ぶかだろう。変動型は将来の金利上昇リスクがあるとはいえ、都市銀行では0.6%台、ネット銀行などでは0.5%台に下がっている。住宅ローン控除で当初10年間は年末ローン残高の1%相当の税金が戻ってくることを考えると、すでに実質的なマイナス金利ともいえる。

一方で固定型もかなり下がっている。2月のフラット35の最低金利は1.48%(返済期間21年以上、融資率9割以下の場合)だが、3月以降に過去最低の1.37%を下回る可能性がある。10年固定型は都市銀行が1.05%で横並びだったが、三井住友銀行が早くも0.9%への引き下げを発表、他の都市銀行もこれに追随するかもしれない。信託銀行やネット銀行などは0.7%台だ。変動型とさほど変わらない金利で10年間固定されるなら、10年固定型で借りてもソンはないだろう。

【図】長期金利と住宅ローン金利の推移(データ提供/オイコス)

【図】長期金利と住宅ローン金利の推移(データ提供/オイコス)

今現在、2%前後より高い金利で借りている人なら、借り換えるメリットも大きそうだ。ほとんどの銀行で借り換えに力を入れており、住信SBIネット銀行では借り換え限定の特別金利キャンペーンで変動型が0.569%で借りられる。また三井住友銀行では全期間引き下げタイプの引き下げ幅が通常は1.5%~1.85%だが、借り換えでネット専用住宅ローンを利用すると1.8%~1.85%引き下げになる限定金利プランを扱っている。

今回のマイナス金利は日銀による追加金融緩和の一つだ。日銀では物価2%上昇の目標を達成するまで金融緩和を続けるとしており、当面は金利が上昇しにくい状態が続くとみられる。借入額で無理さえしなければ、変動型でも固定型でも「借りドキ」には違いないともいえそうだ。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/02/106263_main.jpg

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