
ニューヨーク人情酒場へようこそ!これは、ブルックリンにある小さな酒場(レストラン)で起こったいろんな出来事。
大都会の夜、一杯の酒から始まる人間模様。作者はこのお店で今お寿司を作っているよ。
初日から顔を合わせたチャトが辞めることは、店にとっての一つの柱がなくなるような喪失感がありました。入れ墨だらけで見た目はすごく怖いけど、熱いハートを持ったペルー男児のチャト。ものすごく仕事ができるのにお茶目で心優しく、従業員全員から慕われていました。
ニューヨークで暮らしていくことは決して楽ではありません。特に子どもがいると、保育園に入れるとかどんな学校に入れるのかとか、本当にいろいろな問題が出てきます。
日本に比べて物価も高く、NYCの保育園は月に2000ドルが最低ラインで、区域によって教育の質にもかなり明確に差が出てくるため、判断は簡単ではありません。
何よりもチャトと家族のみんなに幸せになってほしいという気持ちがあったけど、同時に兄貴のような存在がいなくなってしまうことの不安や悲しさが押し寄せて、この日は本当にやるせなく、つらかったです。
余談ですが、このお店で働くうちにペルーのいろいろな調味料について学びました。
Acevichadoソースというのはニンニクが効いたさらっとしたマヨネーズのようなソースで、マグロの刺身によく合うのです。ペルーは魚の生食文化が発達しているので、料理も日本人の舌に合うものが多いなというのが個人の感想です。
なんかおかしいなとは思っていたけど、こんな展開はさすがに予想していなかったよ。
NYでの飲食ビジネスは本当に入れ替わりが激しい。お店の経営にしても、ストリート1つで客層が完全に変わってくるため、一筋縄ではいきません。このお店はラテン系の住人とお店がすごく多いストリートにありましたが、一本道を挟めば地元の人はほとんどがイタリア系白人なのでお店の雰囲気も全く変わってくるのでした。
とにかく店の入れ替わりは激しいし、何年も継続できるビジネスというのは本当に奇跡のような出来事で、手腕が求められるのです。オーナーさんたちにはただならぬプレッシャーがかかっていたと思います。
どうなるこの店、どうなるヤマモト。次回、一旦最終回です。よろしくね~!
作者:ヤマモトレミ
89年生まれ。福岡県出身。2017年、勤めていた会社の転勤でニューヨークに移住。仕事の傍ら、趣味でインスタグラムを中心に漫画を描いて発表していたところ、思った以上に楽しくなってしまい、2021年に脱サラし本格的に漫画家としての活動を開始。2022年にアメリカで起業し個人事業主になりました。ブルックリンのレストランで週4で寿司ローラーをやっています。
●関連記事
ニューヨーク人情酒場 酒場は人生の交差点、次々去っていく同僚たち…これからどうなる? ブルックリンの寿司ローラーによるレシピも公開!
ニューヨーク人情酒場 さよなら、トシさん…入れ替わり激しいNYの飲食業界、雇用事情とは?
ニューヨーク人情酒場 移民の街ならでは? アメリカ女性が好むスイートな呼び名も進化中!? 「私のかぼちゃさん」にズキュン
あわせて読みたい─関連記事─
- ニューヨーク人情酒場 ブルックリンの酒場で働く日本人漫画家から見たリアルなアメリカ紹介します!
- ニューヨーク人情酒場 フェアリー・トシさん突然の休職! ヘルプの頑固寿司職人、神絵師“ブルピじじい”降臨
- ニューヨーク人情酒場 アメリカのパリピ愛飲の「Sake Bomb(サケ・ボム)」って何!? 規格外なアルコール文化とは?
- NY現地レポ! 新型コロナ、戦争、物価高。「モノ不足」に市民が悲鳴
- 世界の名建築を訪ねて。ウーブン・シティなど手掛けるビヤルケ・インゲルス設計の集合住宅「ザ・スマイル」/NY