
国立感染症研究所の調査によれば、今シーズンのインフルエンザ推定患者数は約771万人(※2016年2月21日現在で定点医療機関を受診した数)。すでに流行のピークは過ぎた可能性が高いようだが、まだまだ油断は禁物。今年は流行の入りが遅かったため、春以降の感染にも警戒してほしいと専門家はいう。
例年よりも遅いインフルエンザのピーク。春以降も要警戒!
「インフルエンザは例年、11月下旬から流行が始まり、1月~2月上旬にピークを迎えます。ところが今年は1カ月ほど遅れていて、2月中旬ごろがピークでした。現在はピークを過ぎた可能性が高いと思われますが、流行の入りが遅かったぶん、患者さんが多い状況がまだ続くと思われます」とは、国立感染症研究所・感染症疫学センターの砂川富正氏。今シーズンは春先にかけて、例年よりも患者数が増える可能性があるという。
「インフルエンザはまず『A型』が流行し、その後『B型』へと移行することが多いです。B型はすでに検出されていますが、5月のゴールデンウィーク前後までだらだらと続くかもしれません。また、2009年以降に登場した新型インフルエンザは、特に小さい子どもや若い方で重症化することがあり、注意が必要です」
なお、予防接種を受けていても確実に安心とはいえないようだ。
「ワクチンは重篤化を防ぐためのもの。喉から侵入するウイルス自体の感染を防ぐことはできません。予防接種を受けていたとしても、手洗い、マスクなどで予防することが重要です。また、部屋を乾燥させないこと、水分を小まめにとることも大事です。インフルエンザにかかった場合、身体が脱水症状に陥ると重篤化しやすいので、なるべく湯船にはつからず、多めの水分補給を心掛けることが望ましいですね」
ちなみに、一説には国内で使用されているワクチンの効果は5カ月程度で失われるという。シーズン前に予防接種を受けた人でも、「期限」が切れたタイミングでもう一度ワクチンを打ったほうがいいのだろうか?
「確かに国内の不活化ワクチンの抗体価が持続するのは、1シーズン5カ月くらいといわれています。となると、昨年10月に予防接種を受けた人は3月で効果がなくなり、春先のインフルエンザに無防備であるように思われるかもしれません。ただ、免疫細胞は病原体にさらされることで活性化しますので、実際にはそのシーズンにおいては有効であると考えて良いでしょう。また、毎年きちんと予防接種を受けている人は少しずつさまざまなインフルエンザに対抗できるような、免疫の状況になっています。1シーズンに2度もワクチンを打つ必要はないと思います」
ともあれ、忘れたころにやってくる「春インフル」には要注意だ。4月からの新生活、スタートでつまずかないためにも、体調管理は万全に!
●取材協力・NIID 国立感染症研究所元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/03/pixta_10564390_M.jpg
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