
電力の自由化にともなって、電気に加えてさまざまなサービスがセットプランとして提供されることになりそうだ。前編では筆者宅の場合で電力会社を変更した場合のオトク度について紹介したが、後編では「新電力トリプルセット割」は本当にヒット商品となるのか? そして今後の電気を巡る環境の変化を考えていこう。
「新電力トリプルセット割」とは? 今後も増える?
日経トレンディ誌が2016年ヒット予測にあげた言葉「新電力トリプルセット割」とは、「電力」と「何」かと「何」かの3つのサービスを組み合わせたセットプランのこと。電力に別のサービスを組み合わせることによって、さまざまな「トリプル」割が登場するだろうという予測だ。いくつか紹介しよう。
いちはやく具体的なサービスとして登場しているのが「東京ガストリプル割」だ。東京ガスの「ガス・電気セット割」に、提携プロバイダの「ネット接続」を加えたセット契約プランで、通信費の削減も可能となる点が特徴。
前回紹介したソフトバンクでんきの「おうち割」は「電気」+「携帯電話」+「ネット接続」をまとめたセット契約プランだ。
J:COMからは、「電気」+「テレビ」+「ネット接続」+「固定電話(IP電話)」と、トリプル(3つ)を超え4つのセットプランが発表されている(ちなみに4つはクアドラプル“quadruple”というそうだ)。
この先も各社からさまざまなセットプランが登場しそうだ。例えば東京電力は「ガス」、「携帯電話」、「インターネット接続」、「音楽配信」などの異業種企業との提携を発表していることから、今後トリプルやクアドラプルセットが登場してくるかもしれない。
この先も予想される、電気をめぐる環境の変化とは?いろいろと紹介してきたが、一気に選択肢が増えてしまって迷う人も多いだろう。しかし、さらにこの先も電気料金に影響を与える変化が予想されている。
●原油やLNGなど資源価格の下落による電気料金値下げ
●関西電力は原発が再稼働した場合の料金値下げを検討中
●携帯電話の料金引き下げの検討が進められている
●2017年4月にはガスの自由化も予定されている
既存電力会社の料金値下げ幅は、会社によっても違いが生じるだろう。電気料金とのセットプランに携帯電話を組み込む場合は、携帯電話会社の選択も考える必要がありそうだ。電力会社と合わせて携帯電話会社も変更する場合は、契約更新タイミングを考慮して違約金が発生しないタイミングを狙わないと、トータルでのコスト削減にはつながらないはず。また、2017年4月に予定されているガス自由化では、ガスサービスを軸にした新商品やセット割引が登場する可能性もあるのだ。
うーん、「電気選び」は難しい…。では、今からやるべきことは?
劇的な料金削減は難しいのだから、あせらず冷静に判断しようまずは、電気料金比較サイトなども活用しながら、シミュレーションを行ってみよう。
最初に、現在契約中の電力会社、携帯電話会社、ネット接続会社などのプランを調べてみるといいだろう。au利用中の筆者の場合、「auでんき」が最も削減効果がありそうだったので、そのまま「セット割」プランに変更することを第一候補に考えているところだ。
ただ、セットになることでのデメリットもある。新電力会社でも2年間の長期契約が割引条件といったプランもあるので、もっと魅力的な商品が登場した場合でも安易に変更できなくなるケースもあるだろう。契約期間や解約条項なども確認しておこう。いろいろな制約を受けることを望まないなら、シンプルに電力会社のみを変更するという考え方もありそうだ。
電力自由化といっても劇的に料金が下がるということでもない。5%から10%程度、年間にして数千円から1万円程度の削減が期待できるということなので、落ち着いて判断すればいいと思う。この先も、他社の動きをみてサービス改訂という動きも出そうなので、主要各社のサービスメニューが出そろうまで、あせらず冷静に判断をしよう。
どの電力会社に変更するにしても「スマートメーター」は必須だから、まずはメーターの交換を既存電力会社に依頼することから始めてみよう。
●参考・東京電力の料金プラン
・東京ガスの電気
・J:COM電力
・ソフトバンクでんき●【前編】「電力自由化」はどれだけオトク? 8社で検証してみた元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/02/105254_main.jpg
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